目標ができたら企画書にしてみよう

会社が何か新しいことをするとき、どんな形であれ企画書をつくります。テレビドラマや演劇では脚本が欠かせません。これと同じで人生の目標をつくったら、それを形のあるものとして残しておくことが望ましいです。

たとえばマイホームが欲しいと思う人は大勢いますが、それを企画書のようなものにしている人はまれでしょう。だが実現したいと願うなら、頭の中に描くだけでなく、紙に書き出すことが大切です。

なぜかといいますと、企画書のように紙に書き出していきますと、単なる願望だったものが、より具体的なものになってくるからです。マイホームが欲しいです。どの辺に、どのくらいの広さで、どんな外観で、庭は、書斎は、リビングは、予算は……考えることはいくらでもあります。そしてこうしたあらゆる要素を検討していますと、思わぬところから突破口がみつかるものなのです。

つまり実現の可能性がグンと高くなります。多くの人がいろんな目標をもちながら、なかなか実現できないのは、それをただ考えるだけで企画書あるいは脚本にしていないからです。

目標を紙に書き出す習慣をもっている人は、もっていない人にくらべて圧倒的に所得が高いという調査報告もあります。

もちろん人生の幸福度というものは、所得だけで測れるものではありませんが、現代社会においては、能力、社会的地位と所得はだいたい並行します。目標を企画化、脚本化することは所得の増大、社会的成功の必要条件なのです。

人間はもともと目標志向型にできあがっているといわれます。目標があれば、そこへ向かって行動を起こします。だがその目標がアイマイでは行動が始まりません。どんな場合でも具体的な目標でなければなりません。そのために書き出してみるのは必要な作業なのです。

会社の仕事ではいくらでも企画書を書くのに、自分の目標では形のあるものをつくらないというのは、考えてみればおかしいです。子供は自分の願望を「したい」「できたらいいな」という形で表現することが多いです。どうしたらそれができるか手段がよくわからないからです。

だが大人はそれがわかります。どうすればよいのか知っているのです。知っていますのに、子供と同じレベルでいるのは怠慢です。人生目標は会社の仕事よりも重要です。会社の命運をかけた事業の企画を担当したつもりで取り組んでみたらどうでしょうか。