異質の経験に挑戦しよう


私たちは経験の日々に生きています。喜怒哀楽を伴ったさまざまな体験が起床から就寝まで、しかも毎日まったく同じくり返しということはありません。

しかし、一つひとつの経験には過去に出会ったものと、そうでないまったく新しいものがあるのも事実です。初めて出会った経験を異質、そうでないくり返しの経験を同質の経験と呼びます。

こわさ、つらさ、きびしさ、なかには九死に一生を得た経験もこれまでにはだれしも一度くらいもっています。そして私たちが今こうやってここにいるということはそういった経験を切り抜けてきたからです。

だから、えてして私たちは今までの経験の範囲だと安全だと思い、異質の経験をさける気持がでてきます。安全地帯の中で平穏無事に過ごそうという気持になるものです。

自説を曲げず、自分と異なつた意見に耳を貸そうとしなかったり、異なるタイプの人は敬遠する傾向さえあります。異質の経験が、自分を向上させてくれるのです。

将棋や碁でもそうです。同じ人とばかり指していても進歩はありません。たくましい異質の相手との対局が新たな経験となり、向上につながつていくのです。

自分の考えを固定することなく、新しい職場、新しい仕事にすぐとけ込み、新しい人との関わり合いを億劫がらず、異なる意見の導入に積極的に取り組むなど、自分自身を拡大し、視野を広げることは、自分自身の大きな成長につながります。