一期一会

千利休北の湖

茶道の千利休は「茶の交会は、一期一会といいて、たとえば幾たび同じ主客と交会するも今日の会に再びかえらざることを思えば、実にわれ一世一度の会なり」と茶の心を教えています。

北の湖は十九回目の優勝のときのインタビューの中で「次の優勝に向かって前進ですね」と質問されて「いや一日一勝を心がけます」と答えていました。

この答えを聞いて私は利休の一期一会の話を想い出したのです。実力のみの角力の世界で、さすが横綱ともなると自然に芸の道の達人に通じるような言葉を残すものである姓と思いました。

私たちの日々の仕事は、何ら変哲のない平凡な仕事とも思えますが、実は今日一日の仕事がすべての業績の基本の単位です。

今日一日無事故で、しかも昨日より一歩進んだ生産性の向上を心がけ、皆さんの直接の仕事の中に、北の湖のように一日一勝のポイントをぜひ見出していっていただきたいのです。

一日一日、一人ひとりの集まりが大きくなって会社が動き、高い実績もあげることができるのです。