多方面の人々との交流を

名刺をバラまけ

本州製紙の会長だった故田辺武次さんが社長時代に若い人を集めて、「君たち、若いうち、二十代、三十代は名刺をバラまきなさい。そして四十代になったら回収を始めなさい」と言われたそうです。

みなさん、この真意がわかりますか?

若いうちにできるだけ多くの分野の人々と面識を持ちなさい。多くの人々を知り、いろいろの経験をつみなさい。そして多く学びなさい。という意味を言われたのです。

政治家の河野洋平氏は若いころ家へ帰って夕ごはんを食べていると、「いい若いモンがウチでおふくろとメシくってるとはなにごとか」と父一郎氏に叱られたそうです。田辺氏の言葉と同じく、若いうちは多くの人と交わりなさい、外へ出て勉強しなさいということです。

また、四十代に回収を始めなさいという意味は、二十代、三十代に得た貴重な経験を生かすときです。

若い時の失敗は許されても、四十代にもなると社会的な信用を得て行動するさらに大切なときとなってくるのです。なにをやるにせよ「正しい判断」ができる能力が身についていなければならないのです。

これを回収といっているのです。

ですからみなさん若いうちに、小さな輪の交流、交際だけでなく、もっと広い、多くの人々との関わり合いをもつよう努力しましょう。多くの経験が「正しい判断」のできるモトとなるのです。