対人関係を押し進めよう

朝の一声は仕事のスタートの合図でもあり、今日一日の景気づけでもあります。いつも気持よい朝の声をかわしたいものです。

ところでこの挨拶の意味、漢和字典でいわれを調べてみますと挨も梭も「押す」という意味でみんなで押し進むということだそうです。

そこからさらに意味が広がって、出会い、別れの儀礼の言葉や動作(おじぎ)をさして用いられるようになつたとのことです。

対人関係において、仕事をすすめるなかで大いに挨拶をかわし、お互いに仕事をよりよく押し進めようではありませんか。

失敗は恥ではない

失敗するということは、それ自体悪いことではありません。むしろ失敗は成功の母という諺があるくらいです。

それよりも失敗によって自信をなくしたり、反省をせず失敗のくり返しをするのが悪いのです。原因を分析し、反省してこそ次の仕事でプラスになってかえってきます。

会社はみなさんの努力に投資しているのです。責任をとればすむのではなく、先にいってプラスになることを望んでいるのです。

失敗を再びくり返さないよう、その経験を生かし、さらに前向きに取り組んでほしいと思います。

消費者の動向に絶えず目を

私たち小売業にとって消費者の動きは最大の関心事です。世帯数や年齢別人口の変化、そして車の利用度など環境の変化が経営の方向を決定していきます。

消費者の動き、大きな流れをどうつかむかにかかっているということです。

こうしたマーケティングのうえに立って大手スーパーの進出はつづき、それに対抗して地方百貨店が巻き返し策を展開する。

なかには〇〇戦争と呼ばれるような激しい競争をくり広げる場合もあります。

優勝劣敗の法則は厳然としてこの業界を貫いています。

時代を常にリードし、競争に打ち勝っていくためには、消費者の動向にたえず目をひからせていなければならないのです。

健康はきちんとした食事から

朝の食事はしっかり食べる方が健康的で1日かの仕事の活力も大変ちがうそうです。

軽くコーヒー1杯、牛乳1本でとびだす人は意外に多く、さらに昼食には軽食でサッとすませてしまう。

これではファイトが湧くわけがないと医者が言っているのを聞きました。
やはり料精力的な人はよく食べ、飲み、スポーツを愛するようです。
いきいきとした姿はすばらしいものです。

「牛乳を飲む人よりもそれを配達する人の方がか健康である」というイギリスのことわざがあります。

健康を維持するのは、日々の仕事のためばかりでなく、今後の数十年もの人生の基をつくることです。

後悔しない正しい判断を

私たちは後になって反省することが多々あります。ああしておけば、ああ手を打っておけばなど後悔先に立たずですが、そのときには最善策はなかなか考えつかないもの。

またそのときはそれが一番よいと思っている場合もあります。

ある男が車で山道を走っていたら熊に出合い、彼は車からおりて素手で熊に立ち向かったのです。男は熊にかまれて重傷を負いました。

後で友人がその男に、何であんなムチャをしたのかと聞いたら、男はそのときはそれが一番いいと思ったのだと答えたそうです。

いざというときに正しい判断を下すことほどむずかしいことはありません。ふだんの訓練のつみ重ねが必要なゆえんです。

ゼニのとれる人間に

終身雇用という言葉がありますが、私たちは死ぬまでひとつの会社で働けるということはありません。定年になったり、脱サラ、独立、転職ということもあるかもしれません。

そんなとき、みなさんがあわてないですむように、自分の技能、能力を大いにみがいておく必要があります。端的に言えばゼニのとれる人間になる必要があるということです。

そのためには、ふだんの自己啓発が必要になり、それで得た能力を十二分に発揮しなければなりません。それはこの会社のためになるばかりでなく、みなさん自身のためにもなるのです。

能力はつかってこそ伸びます。見返りがすぐになくてもみなさんの努力は必ずむくわれます。

目ききが大切

商売は目ききが大切です。
毎日の仕事中、商品をよくみつめてください。
先月の品と違つていないか、こまかいところまで注意をはらってください。

私たちのお店は、よい品、安定した商品をモットーとしています。
仕入れた品が前回と異なっているとしたら信用にかかわります。

売りさばきと仕入れの上手、下手によって商売はきまるのです。
ことわざにも、「商い上手の仕入れ下手」というのがあります。

売りさばきがどんなに上手だとしても、仕入れがへタクソならば、売れても売れないのと同じことになってしまうのです。

相互啓発のすすめ


サラリーマンの間で自己啓発という言葉が定着してもうだいぶたちました。たしかに、絶えず自分の能力を維持向上させるには勉強は不可欠です。少しでも自己啓発を怠っていると時流にとり残されかねません。

しかし、自分一人だけでやろうとすればなかなかむずかしいもの。忙しいからとか、今日は疲れたからとか、自分で勝手に理由をつけては怠けようという気持がでてきます。

そういうときは、複数の人間で勉強会などを開いて相互啓発をやってみてはどうでしょうか。これだとお互いに競争し合ったりして、刺激になるので、怠け心も少しはなくなるようです。みんなで声をかけあってやってみてください。

不断の向上心を忘れずに

山登りをしますと、登りに三時間もかかったのに下りはたった三十分しかかからないということがあります。

プロ野球ペナントレースでなんとか勝率五割ラインに到達しようともがくようにしてはい上がってきても、いったん負けだすと、まっさかさまに最下位ということもあります。勝ち続けるのは至難、負けるのは簡単です。

われわれの仕事でも同じこと、いい成績を残し続けたり、出世の階段を昇り続けるのは並たいていの努力ではありません。そのかわり、業績が落ち始めると急降下という具合です。

日々これ新たなりの精神で、たゆまぬ向上心を心がけましよう。

 

異質の経験に挑戦しよう


私たちは経験の日々に生きています。喜怒哀楽を伴ったさまざまな体験が起床から就寝まで、しかも毎日まったく同じくり返しということはありません。

しかし、一つひとつの経験には過去に出会ったものと、そうでないまったく新しいものがあるのも事実です。初めて出会った経験を異質、そうでないくり返しの経験を同質の経験と呼びます。

こわさ、つらさ、きびしさ、なかには九死に一生を得た経験もこれまでにはだれしも一度くらいもっています。そして私たちが今こうやってここにいるということはそういった経験を切り抜けてきたからです。

だから、えてして私たちは今までの経験の範囲だと安全だと思い、異質の経験をさける気持がでてきます。安全地帯の中で平穏無事に過ごそうという気持になるものです。

自説を曲げず、自分と異なつた意見に耳を貸そうとしなかったり、異なるタイプの人は敬遠する傾向さえあります。異質の経験が、自分を向上させてくれるのです。

将棋や碁でもそうです。同じ人とばかり指していても進歩はありません。たくましい異質の相手との対局が新たな経験となり、向上につながつていくのです。

自分の考えを固定することなく、新しい職場、新しい仕事にすぐとけ込み、新しい人との関わり合いを億劫がらず、異なる意見の導入に積極的に取り組むなど、自分自身を拡大し、視野を広げることは、自分自身の大きな成長につながります。